東日本大震災の津波予想について
私は、東日本大震災時の津波予想の問題はとても大きかったと考えています。もし最初から「観測史上最大」の表現などを使っていれば、ほとんどの住民が避難を開始し、避難誘導のために津波が到達する最後まで警察や消防が避難を呼びかける必要は無かったのではと考えてしまいます。
とはいえ、これは被害が甚大になった原因の一つに過ぎません。
感情に流されることなく、それら一つ一つを考え、将来に繋げる必要があるのではないでしょうか。
以下は、津波の予想の誤りがどうして発生したのかをAIに聞いてまとめてもらったものです。
これはシステムのエッジ処理において甘さが出たという事例でしょう。
過去に土石流が出た斜面地なのに住宅地が造成され、そこに大雨というエッジがでたことで被害が発生したなど、世の中には同構造のエッジ問題が多くあるはずだと、私は思います。
2011年3月11日の東日本大震災において、気象庁が最初に発表した津波の予想高さ(岩手県・福島県で3m、宮城県で6mなど)が実際よりも大幅に低くなってしまったことには、当時の計算システムと地震の規模の特殊性が深く関係しています。
大きな要因は以下の3点に集約されます。
1. 「飽和」によるマグニチュードの過小評価
地震発生直後、気象庁の自動計算システムは地震の規模をマグニチュード(M)7.9と推定しました。しかし、実際の規模はM9.0でした。
なぜこれほど差が出たかというと、当時の速報システムでは「短周期」の地震波を用いて計算を行っていたからです。巨大地震の場合、あまりに揺れが大きすぎると、計測機器や計算式が限界に達してしまい、数値が頭打ちになる「飽和」という現象が起こります。M8を超えるような超巨大地震の真の姿を捉えるには、より周期の長い波を分析する時間が必要でしたが、速報性が優先された結果、過小なM値に基づいて津波予測が計算されてしまいました。
2. 過去の経験則に基づくデータベース方式
当時の津波警報は、あらかじめさまざまな地震のパターンをシミュレーションしておき、発生した地震の場所と規模(M)に最も近いデータを引き出す「データベース検索方式」を採用していました。
- M7.9のデータ: 過去のデータに基づき「3m〜6m」という予測が導き出された。
- M9.0の現実: M7.9とM9.0では、放出されたエネルギーに約45倍もの差があります。
システムは入力された「M7.9」に対しては正確な回答を出しましたが、入力された前提条件そのものが間違っていたため、結果として過小な予測となってしまいました。
3. 断層破壊の広がりの見落とし
通常の地震は一つの破壊点からエネルギーが出ますが、東日本大震災は南北約500kmにわたる広大な断層が、3分近くかけて次々と連鎖的に破壊されるという異例の事態でした。
地震発生から数分間のデータだけでは、この「破壊の広がり」の全体像を把握することができず、沿岸に近い一部の破壊だけを反映した予測になってしまったことも、高さの誤認につながりました。
その後の改善策
この教訓を経て、現在の気象庁では以下のような対策を導入しています。
- 「巨大」という表現の導入: 正確なMがすぐに判明しない超巨大地震の場合、あえて具体的な数値を避けて「巨大(10m超)」や「高い」という言葉で即座に警報を出し、避難を促す。
- 沖合津波計の活用: 地震波だけでなく、GPS波浪計や海底水圧計など、実際に海面上昇を検知したデータをリアルタイムで予測に反映させるシステムに強化されました。
誤った第一報が「3mなら堤防で防げる」「2階に止まれば大丈夫」という誤解を生み、避難の遅れを招いたという反省は、現在の防災体制の根幹となっています。