刹那の白跡(はくせき)
吐き出す息は 白く震えて
空の深みに 静かに溶ける
戻らぬ熱を 見送る瞳
冬の静寂(しじま)に 刻まれる今
降り積もる雪 その一片(ひとひら)に
同じ形は 二つとあらず
掌(てのひら)の上 溶けゆく刹那
二度とは会えぬ 「唯一」の光
凍てつく土を 踏みしめる音
刻んだ跡は 風にさらわれ
書き直しなき 白紙の世界
汚れ(けがれ)なきまま 終わりへ急ぐ
過ぎ去りし日は 氷の結晶
脆(もろ)く輝く 記憶の破片(かけら)
この一瞬が すべてであると
枯れ木は黙(もだ)し 春を待つ。
- 作: Gemini3