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古人骨のDNA解析

2024年07月24日

ヒトゲノムの解読が2003年に終了し、それから20年が経過した今、その技術が古人骨のDNA解析に応用され、いままでの考古学ではわからなかったことがだんだんと分かってきています。 

しかしDNA解析だけで昔のすべてがわかるはずもなく、考古学の知識とすりあわせながら解析結果を理解する必要があります。 

例えば、日本人の起源に関する「二重構造モデル」という説があります。これは、弥生時代に稲作をもたらした渡来人が、既にいた縄文人と混血して日本人を形成したというものです。そのときに、北のアイヌや南のオキナワには渡来人の影響がほとんどなかったため、そこでは縄文人の特徴が残ったとされます。 

しかし、最近の古人骨研究では、弥生時代だけでなく、古墳時代にも東アジアからの移民がいたことがわかっています。その移民の遺伝子が現代人のDNAにも残っていて「三重構造モデル」を作っています。 

でも、この三重構造モデルには少し疑問があります。古墳時代の人骨からDNAを解析したのは、たったの3個体だけなのです。現代人のDNAが三重構造なのは確かですが、古墳時代にも全国的に同じ三重構造があったというのは、根拠が弱いかもしれません。人骨が見つかった地域にちょうど大陸から移民が来ていたから、そこで生まれた混血の子がたまたまそのような三重構造のDNAを持っていたのかもしれません。 

として、そういうことがいったい何度あれば現在人のDNAが形作られるのでしょうか。 

これまでに、いったい何名の渡来人がやってきたのでしょう。 

ちなみにオキナワ人のDNAも三重構造をしていて縄文人由来のDNAは本土の2倍程あります。また直接大陸からオキナワに渡来人がやってきて三重構造が出来上がったのではなく、既に三重構造のDNAを持った人が九州あたりからやってきて混血でそうなったのではということです。 

古い骨のDNA解析によって考古学がどう変わるのかこれから楽しみです。 

©makaniaizu 2024